(一社)みろくゆがふ(今野 友紀代表理事)は、障害者が描いたアート作品を企業や団体にレンタル提供するサービスを通じ、障害者と地域社会をつなぐことで、経済面でのサポートや社会進出支援に取り組んでいる。
今野代表理事は、2021年3月に知人から、出身地の新潟市内で同様のサービス「まちごと美術館cotocoto」を運営する㈱バウハウス(新潟市)の紹介を受けたことをきっかけに、障害者アートと出会った。もともと、自身も絵を描くなどアートが好きだったことも手伝い、真っ直ぐな視点で描いた絵が持つ力に心を動かされ、100社を超える企業が賛同し街中がアートで彩られている新潟市内の状況を見て「岡山でも、障害者と社会をつなぐ架け橋となりたい」と一念発起。同年8月に事業を立ち上げた。
親交のあった社会福祉法人旭川荘(岡山市)など障害者アーティストを抱えている3施設と提携。本人や家族の了承を得て提供された絵は、デジタルアートとして取り込み、トリミングや色補正処理を行い、明るく見やすい作品に仕上げる。月額5500円のサブスクリプション方式を採用し、飾る場所の雰囲気や、好みの作品などをヒアリングし、同法人が作品を選び3ヶ月に1度入れ替える。1作品当たり月額1500円を社会福祉法人に支払い、アーティストに還元される仕組み。装飾品として「商品化」したことで企業が継続的な支援活動として気軽に利用できるようになった。
岡山、総社市を中心とした企業や団体にジョジョに広まっているほか、企業と連携した展示会なども実施しており、自身の作品が飾られている現場を訪れ、喜んでいるアーティストも多いという。今野代表理事は「絵を見てもらいたいくても自分で動けない人も多く、作品を通じて社会とつながることで、生まれてきた意義や生きがいを感じるきっかけとなっている」と話す。また、レンタル契約した企業でも、目に見える社会貢献活動として来客とのコミュニケーションにつながり、従業員が障害者に関心を持つなど意識改革にもつながっているそうだ。
レンタルアートのほか、作品を活用した包装紙などノベルティグッズも展開する。活動の先に見据えるのは、地域全体の障害者への理解が深まり、個々人の特性を生かして柔軟に働くことができる共生社会の実現。「事業が拡大すればするほど、その機会が増えてくる。アート作品を通じて多くの人に障害者と向き合ってもらいたい」と力を込める。
とりとめのない話を、このような記事に纏めてくださった㈱瀬戸内海経済レポート(VISION OKAYAMA発行元) 赤木さん、ありがとうございました。
みろくゆがふ一同