”スヌーズレン” 障害を持つ人との関わり合いの先へ

みなさん、こんにちは。障がい者アート支援 みろくゆがふです。

本日は、先日訪問しました「障害者・高齢者にやさしい空間づくり」inclusive design 彩榮(インクルーシブデザイン いろは)の代表 大西 直美(おおにし なおみ)さんをご紹介します。

長年、建築事務所で建築に携わっている直美さんは、ある日、線維筋痛症(せんいきんつうしょう)という難病にかかったことをきっかけに、「住まいを中心とした空間づくり」を深く考えはじめました。

社会福祉に関する知識がないので、関係者の方々にヒアリングし理解を深めていく中で、主治医の岡山大学の先生が教えてくれたネットGoogle Scholarという検索エンジンで見つけた論文の出会いを機に、「スヌーズレン」の存在を知り、それからスヌーズレンにどんどんはまり、遂にはクラウドファンディングでスヌーズレン体験空間をつくってみなさんに体験していただく場所を設けるまでに至ったという素晴らしいパワーの持ち主です。

障がい者というと、身体障がい者を思い浮かべがちですが、知的・精神・発達障がい者など目に見えない方も多く存在します。

スヌーズレンによる空間づくりは、直美さんの理想に近く、空間から彼らの障がいを補助することができると感じました。

下記がスヌーズレン体験ルームです。

スヌーズレン(Snoezelen)の定義;

スヌーズレンは、オランダで1970年代に始められた障がいを持つ人との関わり合い(relationship)の理念です。

(HP:日本スヌーズレン協会より)

岡山の社会福祉法人クムレさんで働いている方とのご縁で、岡山出身、現在スェーデンで作業療法士に従事され、日本で初めてスヌーズレンの本を出版された方である河本 佳子(こうもと よしこ)さんから、海外の住宅事情をアドバイスいただきながら、今、日本で出来ることから始めていこうと直美さんは決心されたそうです。こういった関係性づくりと網の目のようにつなげていける

のも直美さんの魅力だなぁと感じています。

最後に、今後の方向性をお聞きしたところ、熱く語ってくださいました。

「スヌーズレンの可能性を広げていきたいです。精神を平安にするスヌーズレン空間は、健康経営の概念が広まる企業さんにもリラクゼーションルームとして活用するなど福利厚生の一環として考えてもらえたら嬉しいです。また公共の中に溶け込んでいくようになるといいな、と思います。障がい者雇用を前向きに取り組み必要が出てくる流れに伴い、雇用する障がい者の幅も広がっていくと思います。どうやって雇用を安定し定着していくかの環境づくりを整えていくかという観点でも、企業が果たす役割は大きいです。この世に生を受けた時からすでに選択肢が狭まるというのは哀しいので、個々の特性によって、どんな人でも自分で人生を選べる世の中になってほしいなぁと思っています。スヌーズレンはきっかけにすぎないかもしれませんが、「これからの私たちすべてが暮らすやさしい暮らし」を共通に考え行動していく人が増えることを願っています。」

わたしたち みろくゆがふ も障がい者アートからアプローチし、共生社会を目指す仲間として情報を共有し、共に歩んでいきたいです。

直美さんの応援、どうぞよろしくお願いいたします。