前回春の展示に続き、源吉兆庵 銀座本店カフェスペースにおいて「ボーダーレスアート展」を開催させていただきます。お力添え頂きましたみなさま、本当にありがとうございます。
「夢中で遊ぶ夏」
今回の作品展は、岡山の社会福祉法人ももぞの学園さんにご協力をいただいて、17点の作品を飾らせていただきます。
彼らの作品はアートの時間で不特定多数の方とのコミュニケーションを大事にしながらつくりあげていくため、特定の作者がいない作品がたくさんあります。また、筆ではない画材を使用して生まれるアートもあるので、絵を見ただけではどのようにして描いているのか想像しがたい作品もあるかもしれません。例えば、壁を塗るローラーや、はたき等を使用する時もあります。その日その場で編みだされる絶妙なアート。
まるで夏やすみに夢中で遊んだ日々を彷彿とさせるような自由さです。
岡山県笠岡市に生まれた 日本画家の小野 竹喬(おの ちっきょう)さんが、生前、このようなことを言われています。
「一体、美とは何でありましょうか?」これは長い間、美を追求し続けながらも、未だに、美というものはどんなものか言葉の上に出してお話することの出来ない、明確さを欠く言葉であります。~省略~
それほど、美というものは人間の心の問題であって、例えば青空を仰いで見て大変美しいと感じ、また、庭に咲いている花を見て大変これは美しいと思います。それなら美しいということは一体どんなことなのか?若しもその人に聞かれたら、私たちは答えることができません。ただ美しいのであります。
これは、おそらく、美というものは、人間の無心の境地ではないかと思うのであります。人には色々の物欲がありますが、そのものから解放されて、そして、ただ無心の境地において鑑賞するときに美が出てくる、あるいは、美を感じる、こういうことではないかと私は思うのであります。~以上~ 「美について雑談 – 竹喬、晩年の講演から-」
無心に美を鑑賞する。そういった心もちとはいかがなものなのか。
どのような感情が湧いてくるか、味わい、また隣人と感想を交換する機会となりますように。
みなさんのこれらかの生活での新たな気づきとなれば幸いです。
みろくゆがふ一同